ディエスジャパンと東京海上日動が大阪で脱炭素推進連携協定を締結、中小企業のカーボンニュートラル実現を支援
text: LEAFLA編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
記事の要約
- ディエスジャパンと東京海上日動が脱炭素推進で連携
- CO2排出量算出支援システム「ファストカーボン」を提供
- 大阪の中小企業向けカーボンニュートラル支援を展開
ディエスジャパンと東京海上日動の脱炭素推進連携協定
株式会社ディエスジャパンは2024年7月10日、東京海上日動火災保険株式会社大阪北支店と脱炭素及びカーボンニュートラルの実現に向けた普及啓発及び支援を行う連携協定を締結した。両社は「OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション(OZCaF)」の参加企業として、大阪から先進的な取り組みを発信し全国へ波及させることを目指している。[1]
ディエスジャパンはCO2排出量換算クラウドシステム「ファストカーボン」を通じて、中小企業のCO2排出量の見える化を支援する。このシステムは会計帳簿のデータと連携するだけでScope1・Scope2に加え、Scope3上流のCO2排出量を即座に算出できるため、中小企業の排出量換算の工数を大幅に削減することが可能だ。
一方、東京海上日動は保険契約取引等のある中小企業を中心に、セミナー等を通じて脱炭素・カーボンニュートラルの実現に向けた普及啓発活動を行う。両社はこの連携を通じて、大阪の中小企業が脱炭素・カーボンニュートラルの普及啓発から具体的な取り組みまで一貫支援を受けられる体制を構築し、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく。
ディエスジャパンと東京海上日動の連携協定の概要
ディエスジャパン | 東京海上日動 | |
---|---|---|
主な役割 | CO2排出量の見える化支援 | 普及啓発活動 |
提供ツール/サービス | ファストカーボン(クラウドシステム) | セミナー等の開催 |
対象企業 | 中小企業全般 | 保険契約取引先を中心とした中小企業 |
目的 | CO2排出量削減の具体的な取り組み促進 | 脱炭素・カーボンニュートラルの理解促進 |
特徴 | 会計データからの自動算出機能 | 関西地方の中小企業を中心としたアプローチ |
Scope3について
Scope3とは、企業のバリューチェーン全体で発生する間接的な温室効果ガス排出量のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 自社の事業活動範囲外での排出量を含む
- 原材料調達から製品使用、廃棄までの全過程が対象
- 15のカテゴリーに分類され、詳細な排出源の特定が可能
ファストカーボンシステムは、Scope3上流(カテゴリー1~8)のCO2排出量を会計データから自動算出することが可能だ。これにより、中小企業は自社の直接的な排出量だけでなく、サプライチェーン全体での環境負荷を把握し、より包括的な脱炭素戦略を立てることができるようになる。
ディエスジャパンと東京海上日動の連携協定に関する考察
ディエスジャパンと東京海上日動の連携協定は、中小企業のカーボンニュートラル対応を加速させる可能性がある。特に、ファストカーボンによるCO2排出量の可視化と、東京海上日動による普及啓発活動の組み合わせは、理解促進から具体的な行動までをサポートする包括的なアプローチとなっている。このような取り組みが広がれば、中小企業のカーボンニュートラル対応率の向上が期待できるだろう。
一方で、今後の課題としては、中小企業がCO2排出量の把握後にどのように具体的な削減策を実施するかという点が挙げられる。排出量の可視化は重要な第一歩だが、実際の削減には設備投資や業務プロセスの変更が必要となる場合が多い。このため、CO2排出量削減のための具体的な支援策や、削減努力に対する金融面でのインセンティブなどが求められるかもしれない。
長期的には、このような取り組みが大阪地域から全国へと波及していくことが期待される。ディエスジャパンと東京海上日動の連携モデルが成功事例となれば、他の地域や業界でも同様の取り組みが広がる可能性がある。また、中小企業の脱炭素化が進むことで、大企業を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラル実現にも寄与するだろう。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「ディエスジャパン、東京海上日動火災保険と大阪の脱炭素・カーボンニュートラルの推進等に向けた連携協定を締結 | 株式会社ディエスジャパンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000143846.html, (参照 24-09-10).
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- Leaf Laboratory(リーフラボラトリー)
- メディア
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