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東京ガスがネイチャー・ベースド・カーボンファンドに最大2,500万米ドル出資、自然系カーボンクレジットの長期調達へ

text: LEAFLA編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

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記事の要約

  • 東京ガスがカーボンクレジット創出ファンドに出資
  • 最大2,500万米ドルを投資し、12年間のクレジット調達
  • 2050年CO2ネット・ゼロ達成に向けた取り組み

東京ガスの自然系カーボンクレジット創出ファンドへの出資

東京ガス株式会社は、信頼性の高い自然系カーボンクレジット創出を目的とする「ネイチャー・ベースド・カーボンファンド」へ最大2,500万米ドルの出資を2024年9月2日に発表した。本ファンドは、クライメート・アセットマネジメント社が運営を手掛け、国際的にバランスの取れた出資者を募っている。東京ガスはアジアで唯一の出資者となっている。[1]

東京ガスは、2050年CO2ネット・ゼロの達成に向けた熱の脱炭素化を進めており、その移行期における重要な手段として信頼性の高いカーボンクレジットを用いた「カーボンオフセット都市ガス」の活用に取り組んでいる。本ファンドからは植林や自然再生等の取り組みから創出される自然系カーボンクレジットが供給される。

自然系カーボンクレジットは、その創出に広大で連続した土地を要することから供給量が限られている。東京ガスは本ファンドへの出資により、2037年までの12年間にわたり相当規模の希少かつ信頼性の高い自然系カーボンクレジットの調達を目指している。この取り組みは、グループ経営ビジョン「Compass2030」に基づく、CO2ネット・ゼロへの挑戦の一環となる。

ネイチャー・ベースド・カーボンファンドの概要

項目 詳細
設立年月 2022年12月
所在地 ルクセンブルク
無限責任組合員(GP) NBCF General Partner S.à r.l (CAM社により設立)
事業内容 自然系カーボンクレジットプロジェクトへの投資
東京ガスの出資額 最大2,500万米ドル
クレジット調達期間 2037年までの12年間

カーボンクレジットについて

カーボンクレジットとは、森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などを行うことで生まれたCO2をはじめとする温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジットとして発行し、取引できるよう価値化したものである。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • CO2排出削減や吸収の定量化と価値化
  • 企業や個人のカーボンオフセットに活用可能
  • 環境保護プロジェクトへの資金提供手段

自然系カーボンクレジットは、これらのうち森林保全や植林等の活動により創出されたものを指す。東京ガスが出資する本ファンドは、植林や自然再生等の取り組みから創出される自然系カーボンクレジットを供給する。これらのクレジットは、広大で連続した土地を要することから供給量が限られ、特に植生中に炭素を固定・吸収する植林等によるカーボンクレジットは、中長期的に調達が難しくなると予想されている。

東京ガスの自然系カーボンクレジット調達に関する考察

東京ガスの自然系カーボンクレジット調達への取り組みは、長期的な脱炭素化戦略の一環として評価できる。特に、供給量が限られる希少な自然系カーボンクレジットを12年間にわたり調達することで、安定的な「カーボンオフセット都市ガス」の提供が可能になるだろう。一方で、自然系カーボンクレジットの信頼性や追加性の確保が今後の課題となる可能性がある。

この課題に対する解決策として、第三者機関による厳格な認証制度の導入や、プロジェクトのモニタリング体制の強化が考えられる。さらに、技術革新によるクレジット創出の効率化や、新たな自然系カーボンクレジットの開発も期待される。東京ガスには、これらの取り組みを通じて、カーボンクレジットの質と量の両面での向上を図ることが求められるだろう。

今後、東京ガスには自然系カーボンクレジットの活用だけでなく、再生可能エネルギーの導入拡大やe-メタン等の脱炭素化技術の開発・実用化にも注力することが期待される。これらの取り組みを総合的に推進することで、2050年CO2ネット・ゼロの達成に向けた道筋をより明確に示すことができるだろう。同時に、他の企業や自治体との連携を強化し、社会全体の脱炭素化を牽引する役割も果たしていくことが期待される。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「信頼性の高い自然系カーボンクレジット創出を目的とする「ネイチャー・ベースド・カーボンファンド」への最大2,500万米ドルの出資について | 東京ガス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001135.000021766.html, (参照 24-09-03).

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