菌床とは?意味をわかりやすく簡単に解説
text: LEAFLA編集部
菌床とは
菌床とは、きのこの栽培に使用される人工的な培地のことで、おがくずや栄養材を混ぜ合わせて作られた環境できのこの菌糸を培養できます。自然界では樹木や落ち葉などの有機物を栄養源としているきのこを、人工的に栽培するための重要な基盤となっています。
菌床栽培は従来の原木栽培と比較して、気候や季節に左右されにくく安定した生産が可能であり、効率的なきのこの栽培を実現できます。栽培期間の短縮や収穫量の増加といった利点から、現代のきのこ産業において主流の栽培方法として定着しています。
菌床の主要な材料であるおがくずには、広葉樹や針葉樹などさまざまな種類が使用され、栽培するきのこの種類によって最適な配合が異なってきます。米ぬかやフスマなどの栄養材を適切な割合で配合することで、きのこの生育に必要な環境を整えられます。
菌床栽培では温度や湿度の管理が非常に重要で、きのこの種類に応じた最適な環境条件を維持することで、高品質な商品価値のある収穫物を得られます。また、衛生管理を徹底することで、雑菌の混入を防ぎ、安定した生産を継続できます。
菌床の製造過程では、原材料の混合や水分調整、殺菌処理など、細かな工程の管理が必要となり、それぞれの工程で適切な処理を行うことが重要です。さらに、接種後の管理においても、きのこの生育状態を観察しながら、適切な環境条件を維持する必要があります。
菌床栽培の実践手法
菌床栽培の実践手法に関して、以下を簡単に解説していきます。
- 菌床の材料選定と配合
- 殺菌処理と接種技術
- 環境管理と収穫時期
菌床の材料選定と配合
菌床の材料選定では、きのこの種類によって最適な木材や栄養材を選ぶ必要があり、シイタケには広葉樹のおがくずが適していることが知られています。また、栄養材には米ぬかやフスマを使用し、これらの配合比率を適切に調整することで、きのこの生育を促進できます。
材料の水分量は菌糸の生育に大きく影響を与えるため、含水率を適切な範囲に調整することが重要となり、一般的に含水率は60%前後が理想的です。さらに、材料の粒度や混合状態も均一になるように注意を払い、安定した品質の菌床を作ることができます。
菌床の材料として使用する木材は、伐採後一定期間経過したものを選び、新鮮すぎる木材は樹脂成分が多く含まれているため避ける必要があります。また、腐朽が進みすぎた木材も栄養価が低下しているため、適切な状態の材料を選定することが重要です。
殺菌処理と接種技術
菌床の殺菌処理は、高圧蒸気殺菌機を使用して120度前後の温度で行われ、雑菌の繁殖を防ぐために適切な時間と温度管理が必要です。殺菌処理後は、菌床を適切な温度まで冷却し、清潔な環境で種菌の接種作業を進めることが大切です。
種菌の接種作業は無菌的な環境で行う必要があり、作業者の手指消毒や専用の作業着の着用など、衛生管理を徹底することが重要となります。また、接種する種菌の量も適切に調整し、菌糸の活着率を高めることで、安定した栽培が可能になります。
接種後の菌床は専用の培養室で管理され、温度や湿度、二酸化炭素濃度などの環境条件を適切に保つことで、菌糸の成長を促進することができます。培養期間中は定期的に菌糸の伸長状態を確認し、異常が見られた場合は速やかに対処する必要があります。
環境管理と収穫時期
菌床栽培における環境管理では、培養室の温度を20度前後に保ち、湿度も90%以上の高い状態を維持することで、菌糸の成長を促進することができます。また、適切な換気を行うことで、二酸化炭素濃度を管理し、きのこの品質向上につなげることができます。
きのこの発生処理は、菌糸の蔓延が完了した後に行われ、温度や光条件を変化させることで、きのこの原基形成を促すことができます。発生処理後は、きのこの生育状態を観察しながら、適切なタイミングで収穫作業を行うことが重要となります。
収穫作業は、きのこの大きさや形状が最適な状態になったタイミングで行われ、早すぎる収穫は品質や収量の低下につながることがあります。また、収穫後の菌床管理も重要で、適切な環境条件を維持することで、複数回の収穫が可能となります。
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