CO2施用とは?意味をわかりやすく簡単に解説
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CO2施用とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: LEAFLA編集部


CO2施用とは

CO2施用とは、植物の光合成を促進させるために温室や栽培施設内の二酸化炭素濃度を人工的に高める栽培技術のことを指します。一般的な大気中のCO2濃度は約400ppmですが、施設栽培では800-1000ppmまで高めることで収量を増加できます。

CO2施用は植物の種類や生育ステージによって最適な濃度設定が異なるため、環境制御システムと連動させて管理する必要があります。施設内の温度や湿度、日照条件などと組み合わせることで、より効果的な生育促進が実現できます。

CO2施用の方法には、液化CO2を気化させて供給する方式や、プロパンガスなどの燃焼で発生するCO2を利用する方式があります。燃焼方式は設備投資が比較的少なく導入しやすいメリットがありますが、温度管理に注意が必要です。

CO2施用を行う際は、施設内の換気状況や気密性に応じて供給量を調整する必要があります。過剰なCO2供給は植物にストレスを与える可能性があるため、定期的なモニタリングと適切な濃度管理が重要になります。

CO2施用の効果は作物の収量や品質向上だけでなく、生育期間の短縮にもつながります。特にトマトやイチゴなどの果菜類では、糖度の向上や果実の肥大促進など、商品価値を高める効果も期待できます。

CO2施用の実践的活用法

CO2施用の実践的活用法に関して、以下を簡単に解説していきます。

  1. 栽培作物別の最適条件
  2. 環境制御システムの構築
  3. コスト管理と収益性分析

栽培作物別の最適条件

葉菜類は光合成が活発な生育初期から中期にかけてCO2施用の効果が高く、収量増加に大きく貢献します。果菜類では開花期から果実肥大期にかけての施用が特に重要になり、収量と品質の向上に効果的です。

イチゴ栽培では日中のCO2濃度を800-1000ppmに維持することで、果実の糖度上昇と収量増加の相乗効果が得られます。トマト栽培では生育ステージに応じて濃度を600-1200ppmの範囲で調整することが推奨されます。

キュウリやナスなどの果菜類は、CO2施用により果実の肥大促進と収穫期間の延長が可能になります。特に冬季の低日照期には、光合成の補完効果として施用効果が顕著に表れることが確認されています。

環境制御システムの構築

CO2センサーと連動した自動制御システムを導入することで、施設内の二酸化炭素濃度を常時最適な状態に保つことができます。温度や湿度のデータと組み合わせることで、より精密な環境制御が実現できます。

施設の気密性や換気状況に応じて供給量を自動調整することで、CO2の無駄な放出を防ぎ、効率的な施用が可能になります。日射量や外気温などの気象条件に応じて供給パターンを変更することで、より効果的な施用管理ができます。

環境制御システムにはCO2濃度の上限アラート機能や異常値検知機能を組み込むことが重要です。これにより安全性を確保しながら、作物の生育状況に合わせた適切な施用管理が実現できます。

コスト管理と収益性分析

CO2施用に必要な設備投資や運転コストを作物の収量増加や品質向上による収益と比較することで、経済的な施用計画を立てることができます。季節や市場価格の変動を考慮した施用戦略の立案が重要です。

液化CO2方式は初期投資が高くなりますが、長期的な運用では燃焼方式よりもランニングコストを抑えられる可能性があります。施設規模や栽培作物に応じて、最適なCO2供給方式を選択することが経営効率の向上につながります。

CO2施用による収量増加は平均して20-30%程度が期待できますが、品質向上による単価アップも考慮する必要があります。光熱費や肥料費などの他の栽培コストとのバランスを取りながら、総合的な収益性を分析することが大切です。

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