天然由来
弱い変動光で植物の成長を高めるPGR5量を解明
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弱い変動光ではPGR5の「適度な増加」が成長を後押し
東京大学大学院農学生命科学研究科などの研究グループは、光合成の電子伝達を調節するタンパク質「PGR5」の量が、変化する光のもとで植物の光合成や成長にどう影響するかをシロイヌナズナで調べました。自然環境では、雲や葉の揺れ、周囲の葉による遮蔽などによって、植物が受ける光は一定ではありません。研究ではPGR5の量が異なる系統を比較し、光環境によってPGR5に求められる条件が異なることが示されました。[1]
10 μmol photons m-2 s-1と100 μmol photons m-2 s-1を10分ごとに切り替える弱い変動光では、PGR5を野生型の約2倍蓄積した系統で、光化学系I(PSI)の酸化還元状態が適切に調節され、機能的なPSI量の指標であるPmと地上部の乾燥重量が増加しました。ただし、PGR5を約3倍にすると、この向上はみられず野生型と同程度になりました。一方、10 μmol photons m-2 s-1と600 μmol photons m-2 s-1を切り替える強い変動光では、PGR5を欠く植物の光合成機能や成長が大きく低下したものの、野生型よりPGR5を増やしても明確な成長促進効果は確認されませんでした。PGR5は単純に多いほどよいのではなく、光環境に応じた量が重要であることが分かります。
植物が受ける「光の変化」を考える新たな手がかりに
植物群落の内部では、上の葉に遮られるなどして弱い光が続く一方、ときどき強い光が差し込むことがあります。今回の結果は、こうした環境で光合成を効率よく働かせるには、光合成関連タンパク質をただ増やすのではなく、その量を生育環境に合わせることが重要だと示しています。現時点で示されたのはシロイヌナズナでの結果ですが、研究グループは将来的に、ナタネなどのアブラナ科作物やイネ、トマトなどでPGR5量を適切に制御する育種や遺伝子改変技術への応用を展望しています。植物の光合成の仕組みや、限られた光を生育にどう生かすかに関心がある方には、光の「強さ」だけでなく「変動」に目を向ける研究として参考になりそうです。
References
- 変動する弱い光を効率よく利用し、植物成長を促進
――光合成電子伝達を調節するPGR5タンパク質の適度な増加が鍵―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部. a.u-tokyo.ac.jp(参照 2026-10-01)
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