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公開：2024-09-07

コメ農家の倒産・廃業が急増、2024年1-8月で34件が生産現場から消滅し過去最多更新へ

text: LEAFLA編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

• コメ農家の倒産・廃業が急増し過去最多を更新へ
• 生産コスト上昇と後継者不足が主な原因
• 2024年1-8月で34件のコメ農家が生産現場から消滅

コメ農家の倒産・廃業が急増、過去最多を更新へ

株式会社帝国データバンクは、2024年9月5日にコメ農家の倒産・休廃業解散動向について調査・分析結果を公開した。全国的なコメ不足と価格高騰のなか、2024年1－8月に発生した米作農業の倒産が6件、休廃業・解散が28件発生し、計34件が生産現場から消滅したことが明らかになった。^[1]

倒産・廃業の件数は23年通年の件数（35件）を大幅に上回り、年間最多更新が確実となっている。初の年間40件台到達も想定される状況だ。主な要因として、生産コストの上昇と深刻な後継者・就農者不足が挙げられており、特に肥料価格の1.5倍上昇が大きな打撃となっている。

一方で、主食用米の価格上昇や高付加価値米の需要拡大により業績を伸ばすコメ農家も存在する。JAを中心とした新規就農支援の取り組みも進んでおり、生産基盤の強化が進められている。しかし、資材高騰と値上げ難で農家が経営をあきらめる状況が続けば、将来的に主食のコメが安定的に供給できなくなる可能性も指摘されている。

コメ農家の倒産・廃業状況まとめ

生産資材について

生産資材とは、農業生産に必要な様々な資材や機材のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 肥料、農薬、種子、農業機械などが含まれる
• 生産コストに大きな影響を与える要素
• 多くの資材が輸入に依存しており、為替変動の影響を受けやすい

農林水産省の調査によると、2023年における農業に必要な生産資材の価格は、2020年平均に比べて1.2倍に上昇している。特に肥料は1.5倍、光熱動力は1.2倍、農業薬剤は1.1倍と、主な資材のほとんどが値上がりしている。この生産資材の価格上昇が、コメ農家の経営を圧迫する大きな要因となっているのだ。

コメ農家の倒産・廃業増加に関する考察

コメ農家の倒産・廃業増加は、日本の食料安全保障に深刻な影響を与える可能性がある。生産者の減少は国内のコメ供給能力を低下させ、食料自給率のさらなる低下につながる恐れがあるのだ。また、農村地域の過疎化や耕作放棄地の増加など、地域社会や環境への影響も懸念される。

この問題に対する解決策として、生産性向上のための技術革新や、コスト削減のための共同化・大規模化の推進が考えられる。さらに、付加価値の高い品種の開発や、輸出促進による販路拡大なども重要だ。政府や農業団体は、これらの取り組みを支援する施策を強化し、新規就農者の確保・育成にも注力する必要がある。

今後、コメ農家の経営安定化に向けては、生産資材価格の安定化や、適切な価格転嫁を可能にする仕組みづくりが求められる。同時に、消費者の国産米への理解と支持を得るための啓発活動も重要だ。持続可能な米作りを実現し、日本の食文化を守るためには、生産者、消費者、行政が一体となった取り組みが不可欠となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「「コメ不足」のさなか、コメ農家の倒産・廃業が急増　過去最多を更新へ　肥料などのコスト増負担が重く、生産者の高齢化・後継者不足も追い打ち | 株式会社帝国データバンクのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000929.000043465.html, (参照 24-09-07).

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