【植物図鑑】ユーフォルビア・オベサ(Euphorbia obesa)とは?球形の体と幾何学模様が魅力的な多肉植物の育て方

ユーフォルビア・オベサ

神秘的な球形の体を持つ多肉植物

別名

ボール・ユーフォルビア、バスケットボール・ユーフォルビア

ユーフォルビア属とは?

ユーフォルビアはトウダイグサ科に属する多肉植物で、世界中に約2,000種が分布しています。その中でもオベサは、球状の体型と幾何学模様という特徴的な姿を持つ珍しい種です。主に南アフリカの乾燥地帯に自生し、厳しい環境に適応した生命力の強さを持っています。一生に一度だけ花を咲かせ、その後種子を残して寿命を終える特徴は、生命の神秘を感じさせます。

  • 科・属:トウダイグサ科 ユーフォルビア属
  • 原産地:南アフリカ(東ケープ州)
  • 特徴:球形の体と幾何学的な模様が特徴的な多肉植物
  • 別名:ボール・ユーフォルビア、バスケットボール・ユーフォルビア
  • POWO掲載:あり (POWOトップ)

POINT:野生では絶滅危惧種とされているユーフォルビア・オベサは、その独特な姿と育てやすさから、多肉植物愛好家の間で人気の高い品種です。

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ユーフォルビア・オベサとは?

ユーフォルビア・オベサは、球形の体に美しい幾何学模様を持つ多肉植物です。学名の「obesa」は「太った」という意味で、その特徴的な形状に由来します。原産地の南アフリカでは絶滅が危惧されていますが、園芸品種として世界中で栽培され、種の保存に貢献しています。 直径10-15cmほどになる球形の体は、成長とともに徐々に大きくなり、表面の幾何学模様も変化していきます。成熟すると小さな赤みがかった花を咲かせ、その姿は控えめながらも独特の存在感を放ちます。 寿命は管理状態により異なりますが、適切なケアのもとで数十年生きる個体もあります。耐乾性が強く、比較的育てやすい特徴から、初心者から上級者まで幅広い愛好家に支持されています。

免責・ご注意
Leaf Laboratory(リーフラ)では、自然をライフスタイルに取り入れることをコンセプトに、さまざまな植物の品種や育て方についての情報を提供しています。植物には個体差や環境に応じて適切な育成法が異なるため十分にご留意し、ご利用のほどお願いします。 >掲載情報の方針

ユーフォルビア・オベサの基本情報

園芸分類
多肉植物, 観葉植物
形態
常緑多年草
植物名
ユーフォルビア・オベサ
学名
Euphorbia obesa
英名
Baseball Plant, Basketball Euphorbia
科目/属性
トウダイグサ科ユーフォルビア属
原産地
南アフリカ(東ケープ州)
小さく目立たない赤みがかった花を咲かせる
日当たり
明るい日向を好む
温度
5℃〜30℃(耐寒性は弱い)
耐寒性
弱い(5℃以下では保護が必要)
耐暑性
強い
水やり
乾燥に強いが、生育期は適度に
肥料
生育期に月1回程度、薄めの液体肥料
栽培難易度
2(比較的容易)
成長速度
遅い
寿命
適切な管理下で数十年
毒性
有毒(白い樹液に注意)

育て方のヒント

  • 強い日光を好みますが、真夏の直射日光は避けましょう
  • 水やりは土が完全に乾いてから。生育期はやや多めに
  • 耐寒性が弱いため、冬は室内での管理がおすすめ

ユーフォルビア・オベサの育て方

ユーフォルビア・オベサの育て方には、以下のポイントがあります。

日当たり

  • 明るい日向を好みますが、真夏の強い直射日光は避けましょう。
  • 室内で育てる場合は、南向きの窓際など、十分な光が当たる場所を選びます。
  • 日光不足になると、徒長したり色が薄くなったりする可能性があります。
  • 光が十分当たることで、独特の模様がより鮮明になります。
  • 冬季も明るい場所で管理しますが、寒さに弱いので室内での栽培がおすすめです。

水やり

  • 乾燥に強い植物ですが、完全に放置するのは避けましょう。
  • 春から秋の生育期は、土が完全に乾いてから十分に水を与えます。
  • 冬は水やりを大幅に減らし、2-3週間に1回程度にします。
  • 水やりは鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと行います。
  • 葉に水がかからないよう注意し、根元に向けて水をやります。

土壌

  • 水はけの良い土を使用します。市販の多肉植物用の土や、赤玉土、軽石、腐葉土を混ぜた土が適しています。
  • pH6.0〜7.0の弱酸性〜中性の土壌を好みます。
  • 鉢底には必ず排水用の穴を開け、鉢底石を敷くなどして排水性を確保します。
  • 土壌は時間とともに劣化するので、1-2年ごとに植え替えを行うのが理想的です。
  • 根腐れを防ぐため、常に適度な通気性を保つことが重要です。

温度管理

  • 耐寒性が弱いため、冬期は5℃以上の環境で管理します。
  • 理想的な温度範囲は10℃〜30℃です。
  • 夏の強い直射日光による過度の温度上昇には注意が必要です。
  • 急激な温度変化は避け、徐々に環境に慣らしていくことが大切です。
  • 寒冷地では冬季の室内栽培が必須です。

肥料

  • 生育期(春〜秋)に月1回程度、薄めの液体肥料を与えます。
  • 過度な肥料は避け、控えめに与えることがコツです。
  • 冬季は肥料を控え、休眠期に入らせます。
  • カリウムを多く含む肥料を使用すると、植物体の引き締まりが良くなります。
  • 有機質の肥料を使用する場合は、さらに薄めて使用してください。

植え替え

  • 2-3年に一度、春に行います。
  • 植え替え時は根を傷つけないよう注意し、古い土は丁寧に落とします。
  • 植え替え後は1週間ほど水やりを控え、根が活着するのを待ちます。
  • 鉢のサイズは植物体より少し大きめのものを選びます。
  • 植え替え後は直射日光を避け、徐々に明るい場所に慣らしていきます。

病害虫対策

  • 根腐れに注意が必要です。排水性の良い土と適切な水やりで予防できます。
  • コナカイガラムシやハダニなどの害虫に注意し、発見したら早めに対処しましょう。
  • 病害虫の予防には、適度な通気性と清潔な環境を保つことが効果的です。
  • 必要に応じて殺虫剤や殺菌剤を使用しますが、使用前に薬剤の種類と使用方法を確認しましょう。
  • 定期的に葉の状態を観察し、異常がないか確認することが大切です。

ユーフォルビア・オベサの年間育成カレンダー

ユーフォルビア・オベサを美しく健康に育てるためには、季節に応じた適切なケアが欠かせません。以下の年間育成カレンダーは、日当たり、水やり、肥料のタイミングを月ごとにまとめたものです。この指針を参考に、あなたの地域の気候や植物の状態に合わせて調整しながら育ててください。

項目 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
日当たり 室内の明るい場所 屋外の明るい日向(強光は遮光) 室内の明るい場所
水やり 月1回程度 土が乾いたら十分に(2-3週間に1回程度) 月1回程度
肥料 休止 月1回薄めの液体肥料 休止

カレンダーの見方と使い方

日当たり

  • 青色の部分は室内での管理を示しています。冬季(11月〜3月)は寒さから守るため、明るい室内で育てましょう。
  • 黄色の部分は屋外での管理を示しています。春から秋(4月〜10月)にかけては屋外の明るい日向で育てますが、真夏の強い日差しには注意が必要です。

水やり

  • 水色の部分は水やりの頻度を示しています。冬(11月〜3月)は控えめに月1回程度、生育期(4月〜10月)はたっぷりと与えます。
  • 生育期は土が完全に乾いてから水を与え、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。

肥料

  • ピンク色の部分は肥料を与える時期を示しています。生育期(3月〜9月)は月1回薄めの液体肥料を与えます。
  • 冬(10月〜2月)は肥料を休止し、植物の自然な休眠を促します。

ユーフォルビア・オベサの育成時のトラブル

ユーフォルビア・オベサを育てる上で遭遇する可能性のあるトラブルと対処法について説明します。

根腐れ

  • 症状:植物体が柔らかくなり、色が黄色や茶色に変化する。悪臭を放つことがある。
  • 原因:過度の水やり、排水不良、通気性の悪い土壌。
  • 対処:患部を切除し、新しい乾いた土に植え替える。水やりを控えめにし、排水性の良い土壌を使用する。

日焼け

  • 症状:表面に茶色や白色の斑点ができる。特に新しい成長部分や急に強い日光にさらされた部分に起こりやすい。
  • 原因:急激な環境変化や極端に強い日差し。
  • 対処:徐々に日光に慣らしていく。必要に応じて一時的に日陰に移動させる。

徒長

  • 症状:植物体が細長く伸びる。色が薄くなる。
  • 原因:日光不足。
  • 対処:十分な日光を当てる。徒長した部分は切り戻し、挿し木で新しい株を作ることも可能。

よくある質問 (Q&A)

ユーフォルビア・オベサに関するよくある質問とその回答をまとめました。

比較的ゆっくりと成長する植物です。適切なケアを行えば、年に数センチ程度成長しますが、完全な大きさ(直径10-15cm程度)になるまでに数年かかります。この遅い成長速度は、植物の変化を長年にわたって楽しめる特徴の一つです。

開花します。成熟した個体(3-5年以上)が春から夏にかけて小さな赤みがかった花を咲かせます。花は小さく目立たないため、気づかないこともあります。十分な日光と適切な温度管理が開花の条件となります。

主な増やし方は以下の通りです:

  • 種子繁殖:開花後に結実した種子から育てる方法です。
  • 挿し木:側芽を切り取り、乾燥させてから挿し木します。
  • 分株:大きくなった株を分割する方法もありますが、あまり一般的ではありません。

増やす際は白い樹液に注意し、必ず手袋を着用してください。

室内でも育てられます。南向きの窓際など、明るい場所に置くことが重要です。以下の点に注意してください。

  • 十分な日光(1日6時間以上の明るい光が必要)
  • 適度な湿度の維持
  • エアコンや暖房の風が直接当たらない場所での管理
  • 定期的な鉢の回転(光が均一に当たるように)

耐寒性が弱いため、冬の寒さ対策は重要です。5℃以下になる場合は室内での管理が必要です。

  • 室内の明るい窓際での管理
  • 暖房の風が直接当たらない場所を選択
  • 水やりは月1回程度に減らす
  • 霜に当たらないよう特に注意
  • 保温マットや断熱材の使用も効果的

模様が薄くなる原因として以下が考えられます。

  • 日光不足:十分な光で改善する可能性があります
  • 過度の水やり:水やりの頻度を見直してください
  • 栄養不足:適切な肥料管理を行いましょう
  • 温度ストレス:適温管理を心がけてください
  • 老化:自然な過程の場合もあります

白い樹液に毒性があり、以下の注意が必要です。

  • 皮膚への付着で炎症を起こす可能性
  • 目に入ると重度の炎症のリスク
  • 取り扱い時は必ず手袋を着用
  • 子供やペットの手の届かない場所で管理
  • 誤飲した場合は医師に相談

鉢選びのポイントは以下の通りです。

  • サイズ:植物体より2-3cm大きめ
  • 材質:素焼きなど通気性の良いもの
  • 排水穴:必須です
  • 形状:安定性のある浅鉢が適しています
  • 色:明るい色で根の温度上昇を防ぐ

ユーフォルビア・オベサの特徴から導かれる花言葉。

  • 「独特の美しさ」:球形の体と幾何学的な模様から
  • 「忍耐」:乾燥に強い特性から
  • 「個性」:特徴的な形状から
  • 「適応力」:厳しい環境での生存能力から

サイズや状態により価格は異なります。

  • 小さな苗:1,000円〜3,000円程度
  • 中型の成熟株:3,000円〜10,000円程度
  • 大型や特に美しい個体:10,000円以上
  • 状態の良い大株:数万円になることも
  • 希少な品種:それ以上の場合もあります

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